発達障がい(気になる子)は脳の機能トラブル
1.脳の部位と機能
側頭葉
・言葉の発達や記憶、表情から気持ちを理解するなどにかかわる部位
大脳辺縁系
・情動や感情、記憶の形成や記憶の保持、言葉の発達などにかかわる部位
前頭葉(前頭前野)
・脳の機能全体の制御やワーキングメモリの働きなどにかかわる部位
扁桃体
・本能的な恐怖心や不安、不快感などのコントロールにかかわる部分
発達障害になる原因はまだよくわかっていませんが、多様な機能を司る脳の働きに何らかの機能トラブルがあるためではないかと考えられています。
2.脳の機能トラブルを理解する3つのポイント
※①~③の働きが上手くいっていないと考えられています
①ワーキングメモリ
・耳から入力された音声の情報(言葉など)を保持する働きと、目から入力された画像の情報(人の動きなどの視覚イメージ)を保持する働き。
②実行機能
・複雑な情報の中から活動計画を立てて、それを実行する脳の働き。例えば、衝動性を制御する、臨機応変に対応するなどの働きがあり、その働き。
③ドーパミン
・細胞どうしの間を行き来して電気信号を伝えている。ドーパミンの働きが十分でないと、集中力を持続することができなかったり、たくさんの情報を参照しながら活動計画を立てることが困難だったりする。
子どもも生きづらさを感じて悩んでいます
子どもの言動は脳からのメッセージであり、声なき訴えです
⇒社会的ルールを当て込むのではなく、子どもの特性を理解し、興味・関心をもとに適切なかかわりをすることで社会的な適応力になり生きづらさの軽減につながっていきます
【臨床心理士からのコメント】
「気になる子」と呼ばれる子どもたちも、当然、一人ひとりが「素質」をもっており、その素質を十分に理解し、具体的な支援をすることによって、もっている持ち味を十分に発揮し「心から輝く」ことにつながると考えます。そのためには、「みんなで子どもたちをみて、みんなで生活する」という感覚が保育者間で必要になってきます。クラスという枠組みや個々がもっている保育観という枠組みを超えて、「みんなで子どもたちをみて、みんなで生活する」という、人類が営んできた自然な感覚に戻る必要があります。このような環境をつくることで、「つながる保育」が実現し、子どもと保育者、子どもたち同士、保育者同士また保育者と保護者がつながっていくと考えます。