社会性 5歳児
社会性
ねらい
・相手の気持ちや思いを考え、意見のぶつかり合いがあっても、互いに折り合いをつけながら、自分たちで解決できるようになる
・みんなで同じ目的に向かって活動することを楽しむ
仲間
□協同
・5歳児では、目標に向かって友だちと協力して作品作りに取り組むなど、一緒に表現することの喜びを味わえるようになってくる。その中で、日常生活も含め、相手の意見も受け入れながら自己主張したり、欲求がぶつかっても自分たちで解決できるようになってくる。また、友だちの嫌がること、喜ぶことも考えられるようになり、困っていたり、悲しんでいる子に優しく声をかけたり、お互いが必要な時に、助け合う姿も見られるようになってくる。遊びでは、友だちに共感したり、自分の振る舞いの影響も考えながら展開していく一方で、思いや考えが伝わらず、遊びが続かないこともある。当番活動や保育者が提案した課題に対しては、個やグループで受け止め、保育者や友だちと相談しながら、時間はかかるが自分たちでしようとする姿が見られるようになる。こういったグループ活動やクラス活動を通して、がんばっている友だちの姿を認めたり、励ましたりして刺激し合い、友だちの気持ちや良い所、得意な所にも気づき互いに認め合う姿も見られるようになってくる。このような経験の中で、自分の良さを友だちから受け入れられたり、認められたりして、自信を持って自分の力を発揮するようになっていく。6歳児なると、目的に向かって友だちと考えを出しながら、意見を調整し、協力して進めることができるようになってくる。その中で、自己主張のぶつかり合いも見られ、自分たちで解決しようとするが、思いが通じ合わず、遊びが進まなくなったり、やめてしまったり、トラブルになることもある。しかし、グループ活動やクラス全体での活動を通して、友だちとのつながり、クラスのつながりを感じ、友だちと一緒に共通の目的や課題に向かって最後まで取り組み、達成感や一体感を味わえるようになってくる。このように、友だちとの考えの違いやうまくいかない経験を通じて、友だちと工夫したり折り合いをつけたりしながら、また自分たちで遊び方やきまりを作り出し、問題や課題を乗り越えようとする姿が見られるようになる。
□ルール
・5歳児では、集団遊びの楽しさが分かり、ルールのある集団遊びを通して、大勢の友だちと体を動かして遊ぶようになる。より遊びが楽しくなるよう、保育者とともに新しいルールを考えたり、そのルールを守って遊ぼうとしたりする姿が見られる。しかし、ルールを守らない友だちに対して責めたりする姿も見られ、遊びが続かなくなることもある。生活の中では、共同の遊具や用具を大切にし、譲り合って使ったり、ルールの大切さに気づき守ろうとするようになってくる。6歳児になると、友だちと簡単な遊びのルールを確認したり、伝え合ったりして、ルールを意識して遊びを進めようとする姿が見られる。また、規範意識も芽生えてくる。
□感情
・5歳児では、自分の考えや他人を批判する力(ずるい、おかしいなど)が芽生えてくる一方で、友だちへの思いやりを深め、一緒に喜んだり悲しんだり、友だちに対して許す、認めるなどができるようになってくる。その中で、相手の気持ちを察することもできるようになってくる。また、人前で笑われたくないなどの社会的感情も芽生えてくる。当番活動などでは、役に立つことをうれしく、誇らしく感じる姿も見られるようになってくる。6歳児なると、相手の気持ちを感じ取り、思いやりの心の芽生えをより感じられるようになる。また目的や課題、行事や当番などに取り組む中で、達成した満足感や充実感、さらに認められる喜びや嬉しさを感じている姿が見られるようになる。
□自覚
・5歳児では、集団の一員として、場や自分の役割を意識し、やり遂げる大切さが分かり、力を十分に発揮する姿も見られるようになってくる。6歳児になると、仲間の一人としての自覚がより芽生え、一人ひとりが集団の中で役割を十分に発揮するようになる。
□異年齢
・5歳児では、引き続き年下の子どもに優しくかかわり、愛情を持っていたわる姿が見られる。また、自分とは異なる文化を持った人に関心を持つ姿も見られるようになる。6歳児になると、年下の子どもの世話など、自分にできることをし、役に立つ喜びを感じるようになる。また、小学校との交流を通して、小学生と触れ合うことを喜ぶ姿が見られるようになる。
大人
・5歳児では、来園者にあいさつをしたり、地域のお年寄りなど身近な人の話を聞いたり、話しかけたりする姿も見られるようになってくる。保育者の話を聞き、内容が分かって動いたり、困った時に保育者に相談することもできるようになってくる。また、相手、場所、場合に応じた話し方を理解できるようになってくる。
自然環境
・5歳児では、身の回りにある自然の美しさや季節の変化また、自然事象に親しみ、その性質や変化、大きさ、不思議さなどに気づき、それらを取り入れて遊ぶ姿が見られるようになってくる。植物の生長の過程を観察したり、世話した野菜を収穫し、みんなで食べる喜びを味わえるようになってくる。また水を大切に使うことや、ゴミの分別などを通して、自然環境を守る大切さが分かるようになってくる。6歳児なると、動植物との触れ合いを通して、命の大切さを感じられるようになってくる。また、栽培を通して、生長の変化に気づき、開花や収穫に期待を持ち、食べ物や植物の生命力に興味、関心を持つようになる。さらに、栽培した植物を収穫し、友だちと一緒に食べることを楽しむようになってくる。
地域
・5歳児では、高齢者や地域の人などとのかかわりを通して、相手を思う気持ちも芽生えてくる。6歳児になると、高齢者をはじめ地域の方など、自分の生活に関係の深いいろいろな人に親しみを持つ姿が見られるようになってくる。