遊び 3歳児

遊び

ねらい

・粗大運動、手先を使った遊び、構成遊び、ごっこ遊び、言葉遊び、机上での遊び、ルールのある遊びなどが十分に楽しめる環境を整える

全身運動
・3歳を過ぎる頃になると、全身運動がしっかりしてきて、片足で10秒ぐらい立ってみたり、ケンケンやギャロップもできるようになってくる。ボール遊びでは、両手でボールを投げたり、ボールをついたり受けたりすることもできるようになってくる。マット運動では、マットの上で横転や保育者の援助を借りて、前転もできる子も見られるようになってくる。4歳児になると、鉄棒にぶら下がったり、足をかけたりまた腕立て前回りもできるようになってくる。ボール遊びでは、両手または片手で上投げができるようになってくる。跳び箱では、跳び箱に飛び乗り飛び降りるなども楽しめるようになってくる。平均台ではバランスを取って歩けるようにもなる。プール遊びでは、顔を水につけたり、水の中でしゃがんだり、ワニ歩きをしたり、走ったりすることもできるようになる。縄跳びでは、大波小波を跳ぶことを楽しめるようにもなってくる。全力で走ることもできるようになり、片道30分程度の散歩も行くことができるようになってくる。

手・指
・3歳を過ぎる頃になると、ハサミの正しい持ち方を知り、連続して直線切りをしたり、簡単な形を切ることができるようになってくる。ブロックでは、ビルや電車など立体的な物を作れるようになってくる。粘土遊びでは、粘土を丸めたり、ちぎったり、伸ばしたりすることを楽しめるようになってくる。折り紙では、三角や四角も折れるようになってくる。4歳児では、身近な用具、素材に興味を持ち、使い方を知り、繰り返し遊びながら扱いに慣れていく姿が見られる。ハサミでは、直線切りや曲線切りを楽しめるようになってくる。ブロックを組み立てて遊んだり、ぬり絵をはみ出さずに丁寧に塗る姿も見られるようになってくる。粘土遊びでは、粘土で好きな形を作ることを楽しむこともできるようになってくる。折り紙では、指先で折り線がつけられるようになる。また、人差し指を使って、目的のところに糊付けもできるようになってくる。さらに、かた結びやあやとりもできるようになってくる。鉛筆も正しく持つことができるようになってくる。

表現

□製作・絵画

・3歳を過ぎる頃になると、人や動物のような物など、簡単な絵が描けるようになってきて、目の前の物を見て描いたりすることもできるようになってくる。また、基底線(変形した基底線も)も見られるようになってくる。いろいろな素材や用具を使って、貼る、折る、つなぎ合わせるなどして好きな物を作って遊ぶこともできるようになってくる。
4歳児になると目の前の物を写生できたり、思ったことを自由に描いたり作ったりすることを楽しむ姿が見られるようになってくる。また人物画では、目、鼻、口の位置を正確に描くことができるようにもなってくる。絵本や童話からのイメージ、または自分や自分たちのイメージに合わせて材料を選び、組み合わせ、見立てるなどして実現していく楽しさを感じる姿も見られるようになってくる。また、それら作った物を用いて遊んだり、保育者や友だちと一緒に身の回りを美しく飾るのも楽しめるようになってくる。また、作った物をペープサートにして遊ぶことも楽しめるようになってくる。

□音楽・リトミック

・3歳頃になると、音楽に合わせて友だちと一緒に動物や乗り物などの動きを真似て、身体で表現したり、歩いたり、走ったり、ジャンプするなど音のテンポや高低を聞き分けて身体で反応することもできるようになってくる。また、みんなで元気よく一緒に歌を歌ったり、カスタネットや鈴、手作り楽器などで2拍子のリズム打ちなども楽しめるようになってくる。4歳児では、さまざまな音色、強弱にも気づきながら、いろいろなテンポに合わせて歩いたり、ギャロップやスキップをしたり、曲に合わせて体を動かしたりすることをさらに楽しめるようになってくる。また、大きな声や自然な声できれいに歌ったりすることもできるようになる。タンバリンなどで3拍子が打てるようにもなってくる。

□自然

・3歳を過ぎる頃には、砂場で山やトンネルを作ったりなど、創造的な遊びを楽しめるようになってくる。

象徴機能

□予測

・3歳を過ぎる頃には、簡単な話の筋も分かるようになり、話の先を予想することができるようになってくる。また、保育者の表情を手がかりとしてメッセージを読み取ることもできるようになってくる。さらに、「こうするとこうなる」など、あらかじめ結果について予想することができるようになってきて、自分のしようとすることも、段々と意思と期待を持って自分から「~しよう」という気持ちも表れてくる。

□イメージ

・3歳を過ぎる頃には、遊びの内容にも象徴機能や想像力を発揮した発展性が見られるようになり、好きな絵本の内容を簡単な劇遊びにして、好きな登場人物になりきって遊んだり、その中で感じたり考えたりしながら、自分のイメージを表現し楽しむ姿が見られるようになってくる。また、積み木で家を作るなど、…のように、…みたいなど、身近な物になぞらえて、いろいろな形を想像して作ることを楽しむ姿も見られるようになってくる。この頃、アニミズム(植物や無生物などに人間と同じ心や意思があると信じる心の働き)が見られる。また、同一化(同一視)(他者の持つ属性を自己の内に取り入れ、それと似た存在になること。これは無意識的に生じるので、意識的になされる模倣とは区別される。同一化により、社会的規範を学ぶ反面、同一化が強すぎると個性を無くしてしまう面もある)も見られる。4歳児になると、身近な生活経験をごっこ遊びに取り入れて、役の模倣や他人を演じることを通して、遊ぶ楽しさを味わう姿が見られるようになる。またごっこ遊びの中でも、作った物を使って遊ぶ楽しさやいろいろなイメージを見立てて遊ぶ姿も見られるようになる。絵本や童話などでは、読み聞かせてもらい、その内容が分かりイメージを広げて楽しむ姿も見られるようになってくる。

言葉

□対相手

・3歳を過ぎる頃には、あいさつや返事など生活や遊びに必要な言葉を自分から使えるようになってくる。また、困ったことや分からないことを伝えたり、簡単な質問に答えられ、伝言もできるようになってくる。さらに、自分のしたいことやしてほしいこと、経験したことや思ったことまた、感じたことを保育者や友だちに話す姿も見られるようになってくる。この頃、「なぜ」「どうして」と盛んに質問する姿も見られる。4歳児になると、保育者の話を聞いたり、自分の経験したことや思っていることを話したり、疑問に思ったことを尋ねたりするなどして言葉で伝える楽しさを味わう姿が見られるようになってくる。昨日のことなど簡単なことを、友だちの前で話すこともできるようになってくる。また素話を5分間集中して聞くこともできるようになってくる。

□対自分

・3歳を過ぎる頃には、普通の会話が支障なくできるようになる(話し言葉の基礎ができる)。一人称、二人称も使えるようになってくる。また、大人の会話に興味を持って聞き入り、話し方も大人の真似ができるようになってくる。言葉のルールにも気づき始め、おにぎり1個のように、数えられる名詞が分かるようになったり、新しい、大きい、強いなどの形容詞も使えるようになってくる。4歳児では、言葉を使った遊び(伝言ゲーム、カルタ、しりとり、なぞなぞなど)を楽しめるようになってくる。また、困っていることやしてほしいことなどを、簡単な言葉で伝え、受け止めてもらえた時の嬉しさを感じるようになってくる。

□絵本

・3歳頃では、本の中の絵を見て、絵本の内容を自分で話したり、絵本や紙芝居を見て、好きな言葉を言ったりなりきって表現したりすることを楽しむ姿が見られるようになってくる。4歳児なると、絵本や図鑑の面白さを味わう姿が見られるようになってくる。