気になる子シリーズ ADHD(注意欠如・多動症)①
ADHD(注意欠如・多動症)のある子ども
ADHDには次の3つのタイプがあります。
①不注意が優位なタイプ
➁多動性・衝動性が優位なタイプ
③両方の症状をもっているタイプ
12歳までに、症状が6カ月以上、家庭や保育所等の公共の場など複数の環境で発現します。原因として、胎児期と出生後の遺伝・環境要因が多いといわれており、脳の形態以上や機能異常が報告されています。また、ADHDは学童の3%から12%程度ですが、診断にはばらつきが多く、診断を受けていない子どもが多く存在することが示唆されています。
①不注意が優位なタイプ
・不注意な傾向がある子どもは女子に多く、周囲が気づきにくいです。忘れ物が多い、時間を守れない、よく物をなくす、話をちゃんと聞けない、同じ過ちを繰りかえすなど、とかく本人の怠惰や性格の問題のように誤解を受けることになり、周囲に認められにくい傾向があります。自分に自信がつくと、得意な分野の才能を発揮することができます。
➁多動性・衝動性が優位なタイプ
・幼児期から小学校低学年にかけて、多動性や衝動性が優位にあるタイプの子どもは周囲の目に留まりやすいので、比較的早く支援を行うことができます。多動性とは、じっと座っていられない、カッとなりやすい、など。衝動性は、次々と興味・関心が移る、聞きかえしや人の話への割り込みが多い、話し出すと止まらないなどの特性があります。
このような行動は一時的にはどんな子にもありますが、年齢と比べて著しく激しい場合は、受診が必要です。大抵は問題行動として取り上げられるため、彼らなりの理由を理解しないと支援に結びつかず、叱責や脅かしで二次障がいを引き起こすケースが多くあります。「叱られてばかりで、自分はダメな子だ」と、自分を大切にする気持ちは低下しがちになってしまうのです。
※障害児保育ワークブック(萌文書林)参照