カウンセリングマインドの視点から子どもを観る
日常の保育のなかで、ついつい子どもに対して「イライラ」してしまうことってありますよね。例えば、「散歩に出かける前に、なかなか準備が進まない」「園に戻って、給食やお昼寝の準備などがあるのに、何度も同じ絵本を読んでほしいとせがまれる」、そんな時、「早く準備しなさい!!」や「もうこれでおしまい!!」なんて言ってしまい、自己嫌悪に陥ることもありますね。
その際に、カウンセリングマインドの視点で「子どもを観る」と少し違って見えてくるかもしれませんね。
【カウンセリングマインドの視点から】
①自己一致
・ときにはネガティブな感情が起きても、それを否定せず、気づいておくこと。
②無条件の積極的関心
・子どもがどのような状態であっても、何ら条件をつけることなしに積極的な関心をもつこと。
③共感的理解
・子どもが「感じているであろう」ことを、子どもが感じているように自分も感じること。
私たちはまず、①の「自己一致」に気づきます。例えば、「子どもの準備が遅いのでイライラしている」と言った具合です。その次に、②「無条件の積極的関心」をもって子どもを観ると、③の「共感的理解」につながってきます。
具体例1. 「朝出かける前に、なかなか準備が進まない」
【カウンセリングマインドの視点から子どもを観ると】
保育者:「早く準備しなさい」⇒「あと少しだね」
①自己一致
・時間がないのに、子どもがゆっくりと靴を履いていて、イライラしてるな・・・
②無条件の積極的関心
・「早く準備をする」という条件を置いて、じっくりと子どもを観てみると・・・一生懸命自分で靴のマジックテープを止めようとしている
③共感的理解
・「ああ、こうやればうまく止められるんだ」「あと少しで自分で止められる、うれしいな」
具体例2. 「何度も同じ絵本を読んでほしいと、せがまれる」
【カウンセリングマインドの視点から子どもを観ると】
保育者:「もうこれでおしまい!!」⇒「おばけがいたんだね」
①自己一致
・まだ、給食や午睡の準備もできていないのに・・・焦ってイライラしてるな・・・
②無条件の積極的関心
・「早く読み終える」という条件を置いて、じっくり子どもを観てみると・・・絵本に出てくる「おばけ」を探している
③共感的理解
・「ああ、これは僕が知ってる“おばけ”だな」「知っている“おばけ”が出てきてうれしいな」
上記の2つの具体例は、「カウンセリングマインドの視点」から子どもを観たうえでのかかわりです。いつもこのようにかかわることは難しいかもしれませんが、少し意識してみると、いつもの子どもの姿が少し違って見えてくるかもしれませんね。そのうえで、子どもへのかかわりがかわってくると、子どもも私たち自身も感じることが変わってくるかもしれませんね。