(Saturday 22)4歳のルールのルールのある遊び(鬼ごっこ初級編)

 

〇Saturday 22 4歳児のルールのある遊び(鬼ごっこ初級編)

・記念すべきSaturday 22の初回の提案は、メッセンジャーのパンダさんからの投稿でした。テーマは「4歳児のルールのある遊び」です。投稿内容は以下となります。

【年齢】     
・4歳児

【活動】     
・戸外活動(ルールのある遊び)

【子ども】    
・9名

【保育者】    
・1名

【ねらい】    
・ルールのある遊びを通し、友だち同士で協力し合うことを知る

【保育者の動き】 
①前日までにルールのある遊びを楽しむ。
②当日、ルールの説明。
③実際に遊びながらルールの説明

【用意するもの】 
・特になし。

【時間の使い方】 
・10:00-10:45

【場所の使い方】 
・公園

【子どもたちの様子】
・ルールを理解しない子が多い。
・ルールを守らないのでゲーム中に喧嘩になる。
・子どもたちは話を聞いていない。
・配慮が必要な子がいる。

・上記の内容に対して、経験豊富なメッセンジャーが3週に渡って意見のやり取りをし、毎週土曜日(計3回)の22:00-23:00でラインを通して、集中的に改善案を検討しました。以下、概要をご紹介いたします。

 

〇4歳児のルールのある遊び①(12月3日)

・1回目の検討会では、提案内容の確認と方向性について話し合いました。方向性としての焦点は、「全員が参加する必要があるか?それともないのか?」という点でした。今回の提案の中で、日本保育者未来通信が目指す「子どもたちが表現している自然な姿」を十分に味わえる環境を整えるに照らし合わせると、やりたくない子もいた時に、それでも全員が参加する必要があるのか?という点で話し合いました。結果、全員で参加する改善案を考えることになりました。理由としては、今回パンダさんからいただいた提案内容ではその改善案が求められていたためです。もちろん、「子どもたちが表現している自然な姿」を十分に味わえる環境を整えるという軸はぶらさずに、全員が楽しめる参加方法はないかという方向で環境設定を考えました。そして、ルールのある遊びだと内容の幅が広いので、今回は「鬼ごっこ」に焦点を絞り、全員で楽しめる環境を検討していくこととなりました。

 

〇4歳児のルールのある遊び②(12月10日)

・2回目の検討会では、具体的な4つの環境についてメッセンジャー同士で検討をしました。その中で、鬼ごっこと言っても、目の前の子どもたちの経験や興味によって環境の設定の仕方が異なるということになりました。そのため、まずは「鬼ごっこ初級編」として、まだあまり経験のない子どもたちと鬼ごっこを楽しむための環境設定を考えることとなりました。その中で、保育者は目の前の子どもたちの姿を捉えながら、スモールステップで段階を踏みながらかかわることが大切ではないかという方向性が出されました。以下、検討された内容をお伝えします。

【保育者の動き】 
・室内で鬼が次々に変わるようなテンポで鬼ごっこを楽しむ。その中で、鬼の役は楽しいものだというイメージを子どもたちともちながら、みんなが鬼の役を楽しめるようにかかわる。次に外に出て、まずは保育者が鬼になって、子どもたちは追いかけられるスリルを楽しむ。その時に、いきなり鬼ごっこをするのではなく、宿変え鬼などを楽しむ。また、子どもが鬼役になっても、初めは保育者も鬼役の子と手を繋いで、一緒に鬼役を楽しむ。そして、室内から外に出るまでの活動の中で、一人ひとりの子どもたちの発達や理解度を把握し、その日に一人ひとりが最大限に楽しめるような環境を振り返り、長期的な視点を持って実践していく。宿変え鬼が慣れてきたら、普通の鬼ごっこを楽しむ。その際に、逃げる範囲を決めたり、鬼の数や帽子の色などをも、子どもたちの状況によって変え、みんなが楽しめるように環境を見直していく。楽しめるようになってきたら、徐々に逃げる範囲を広げていく。さらに慣れてきたら、鬼役と追いかけられる役という設定ではなく、例えば、ライオンとウサギのように設定を変えて楽しんでも良い。今回の提案のねらい=保育者の願いである、「ルールのある遊びを通し、友だち同士で協力し合うことを知る」ことが、子どもたち同士でできるようになって、楽しめるようになってきても、状況に応じて保育者は入り、徐々に子どもたちだけに任せていく。

【場所の使い方】 
・遊具が少ない場所。または、遊具がない広場のような場所。

・以上が、2回目の検討会で出された意見の概要です。2回目では、【用意するもの】と【時間の使い方】については、時間の関係で検討ができなかったので、3週目に持ち越されました。

 

〇12月11日(月)~12月16日(金)の間でやり取りされた意見

・今回、パンダさんからいただいた提案は4歳児のルールのある遊びだが、2回目の検討会の内容は、4歳児にかかわらず、2歳児や3歳児でも実践できる内容ではないかと言う意見が交わされました。そのため、3回目のSaturday 22では、パンダさんからいただいた提案を大切にし、4歳児のルールのある遊び「鬼ごっこ初級編」として検討していく中で、4歳児にかかわらず、目の前の子どもたちの状況によって、2歳児や3歳児でも実践できる内容を含むという方向性で考えることとなりました。

 

〇4歳児のルールのある遊び③(12月17日)

・3回目の検討会では、2回目の内容と、3回目の検討会までに交わされた方向性を踏まえて、2回目で検討ができなかった、【用意するもの】と【時間の使い方】について話し合いました。まず、【用意するもの】は、今回の改善案は、「鬼ごっこ(初級編)」ということで、2回目のSaturday 22で検討された内容を踏まえ、「鬼役の子が分かりやすいように、目印となる帽子」という意見が出ました。次に、【時間の使い方】については、メッセンジャーの全員が「10分~15分」という意見がそれぞれから、一度に出されました。その理由としては、初級編のため持続性がないことと、子どもたちの体力面から最高に楽しめる時間ではないかという意見で一致しました。そして、最後に「導入する時間帯」についてです。活動の始めに行うか、終わりに行うかということです。始めに行うと、子どもたちの気持ちの切り替えや体力、集中力があり今回のパンダさんからの提案のねらいに沿えるのではないか、またみんなで鬼ごっこを楽しんだ後に、飽きた子から順に抜けて、別の遊びを楽しんだり、室内に戻ったり、続けたい子は続けることはできるのではないかという意見が出ました。反対に、終わりに行うと、「楽しかったね~」「またやりたいね~」など子どもたち同士で思いを共有できるのではないかという意見が出ました。その結果、今回は鬼ごっこ初級編としては、「まずは全員で楽しむ」ことを考えると、気持ちが向きやすい「始め」に行うということになりました。

・3週間にわたり意見を交わし合い、3回のSaturday 22(計3時間)を通して出された内容をまとめると、日本保育者未来通信としての改善案は、以下の内容となります。

【ねらい】    
・ルールのある遊びを通し、友だち同士で協力し合うことを知る。

【保育者の動き】 
・目の前の子どもたちの状況によって、スモールステップでかかわる。
 ※詳細はSaturday 22②(12月10日)参照

【用意するもの】 
・鬼役の子が分かりやすいように、目印となる帽子。

【時間の使い方】 
・活動の始めの10分~15分。
※10分~15分の中で、Saturday 22②(12月10日)の内容にある、スモールステップの保育者のかかわりの一つを行う。(例えば、宿変え鬼だけを行うなど)

【場所の使い方】 
・遊具が少ない場所。または、遊具がない広場のような場所。

・今後、パンダさんに上記の改善案を実践頂き、【子どもたちの様子】をフィードバックしていただきます。改善案実践後の子どもたちの様子に、乞うご期待を!!