遊び 1歳児

遊び

ねらい

・探索活動、粗大運動、手先を使った遊び、目と手の協応の遊び、構成遊び、模倣遊びなどが十分に楽しめる環境を整える

全身運動

・1歳を過ぎると片手を支えられて歩いたり、徐々に一人で自由に歩き回れる喜びを感じられるようになる。また、緩やかな斜面や段差を登る、降りるなどの足腰を使った活動を取り入れた遊びも楽しめるようになる。1歳3ヶ月を過ぎる頃には、低い滑り台によじ登って足から滑るのを楽しんだり、走る、くぐる、跳ぶ、ぶら下がる、押し箱を押すなど全身を使った遊びをする。また、足踏み式に階段の上り下りもできるようになってくる。1歳6ヶ月~2歳にかけて、玩具の車に乗り、足で蹴って走らせたり、体操、追いかけっこ、蹴る、投げるなど全身を使った遊びも楽しめるようなる。2歳~2歳6ヶ月では、体全身でバランスを取ることができるようになり、走ったり、両足をあげてジャンプしたり、階段の手すりにつかまって1段ずつ上り下りができるようになってくる。戸外では、片道20分の距離を散歩できるようになってくる。鉄棒にぶら下がったり、三輪車にまたがり、足で地面を蹴って進むこともできるようになってくる。また、逃げる、追いかけるなどの遊びも楽しめるようになってくる。室内では、音楽に合わせて体を動かしたり、高さ10cmの一本橋なども渡れるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳では、さらに全身運動が発達し、登る、押す、引っ張る、片足立ち、50cm位の高さから跳ぶなどの運動能力や平衡感覚が発達し、体を自分の思うように動かすことができるようになってくる。また、高さ20cmぐらいの平均台を、横歩きやすり足で渡ったり、リズミカルな運動や音楽に合わせて体を動かすことを楽しめるようになってくる。

手・指

・1歳を過ぎる頃には、簡単な型はめやパズルをしたり、おもしろがって物を落とすことを繰り返す。また、つまむ、ちぎる、破く、なぐり描きなどの手や指先を使った遊びも楽しめるようになってくる。1歳3ヶ月を過ぎる頃には、小さい物を指先でつまめるようになったり、握力もついてきて、積み木などを積み重ねることができるようになってくる。1歳6ヶ月~2歳に向けて、積み木を2~3積んだり、ボタンはめ、紐通し、クレヨンを扱うなど指先を使った遊びも楽しむ。また、蓋を開ける、蛇口をひねる、シールを貼るなどの手先を操作する機能が発達してくる。2歳~2歳6ヶ月頃では、積み木を5~6個積んだり、粘土を丸めたり、細長く伸ばしたりすることも楽しめるようになってくる。この頃、丸も描けるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳に向けて、指先を使い、合わせ折りや三角形に折ることができるようになってくる。また、保育者と一緒にハサミで一回切りをしたり、徐々に自身で人差し指で糊付けができるようにもなってくる。

表現

□製作・絵画

・1歳3ヶ月~1歳6ヶ月頃には、なぐり描きの中でたまたま、線や点を描く姿も見られるようになる。2歳になるにつれて、物の性質や楽しさをじっくりと味わえるようになる。2歳~2歳6ヶ月頃では、クレヨンや絵の具で思いのままに塗ったり、描いたりし、描いたものを見立てるようにもなってくる。3歳になるにつれて、クレヨンや絵の具を使って表現することがより楽しめるようになり、フィンガーペインティングも楽しめるようになってくる。また、保育者と一緒に紙を糊で貼ったり、ハサミで切ることを楽しんだりもできるようになってくる。

□音楽・リトミック

・1歳3ヶ月頃になると、保育者と一緒に歌を歌ったり、簡単な手遊びを楽しむ姿も見られるようになってくる。また、笛やラッパなども吹こうとする。1歳6ヶ月頃には、簡単なリズムに合わせて手を叩いたり、音に合わせて体を動かしたり、保育者と一緒に触れ合い遊びやわらべ歌を楽しむ。2歳に向けて、知っている歌を口ずさんだり、音楽に合わせて体を動かし、自分なりに動きを楽しむ姿も見られるようになる。また、歌や音楽に合わせて、カスタネットや鈴、音の出る手作り玩具などを鳴らして遊ぶようになる。2歳6ヶ月頃になると、簡単な歌や体操を覚えて、みんなと一緒に楽しめるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳頃では、音楽に合わせて動物の真似をしてみたり、簡単な劇ごっこを楽しめるようにもなってくる。

□自然

・2歳6ヶ月~3歳頃になると、色水遊びなども楽しめるようになってくる。

象徴機能

□予測

・2歳~2歳6ヶ月頃になると、保育者の行動をある程度予想するようになり、褒めてもらえそうなことを誇らしげに行い、「褒めてよ~」と言わんばかりにアピールするなど、相手の行動を予測するようなしぐさが見られ始める。

□イメージ

・1歳頃には、保育者の簡単な仕草を真似る姿も見られるようになってくる。1歳3ヶ月頃には、保育者と一緒に絵本を見て、絵をみながら保育者の言葉の真似をしたり、生活や遊びの中で、保育者のすることに興味を持ち、ままごと遊びなども見られるようになる。1歳6ヶ月頃には、ある物を他の物で見立てるなど、その後の社会性や言語の発達にとって欠かせない、象徴機能が発達してくる。2歳に向けて、モデリング(身近な大人の真似をする)をしたり、イメージしていること(記憶していることを思い出して再現すること)ができ、保育者と一緒に生活経験を取り入れた簡単なごっこ遊びを楽しめるようになる。ごっこ遊びの中で、つもり行動(お母さんになったつもりなど)を十分に経験させることによって、観察や模倣が細やかになり、イメージが豊かになっていく。2歳~2歳6ヶ月頃になると、さらに象徴機能や観察も増し、保育者と一緒に簡単なごっこ遊びを楽しんだり、動物の真似をして遊ぶことも楽しめるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳頃では、経験したことの中で同じようなイメージを持って、保育者や友だちと一緒に見立てたり、なりきったりして遊ぶことを楽しめるようになってくる。そして徐々に、保育者を仲立として、同じ場にいる子と一緒に見立て、つもり遊びを楽しめるようになってくる。

言葉

□対相手

・1歳頃には、保育者と一緒にしぐさや喃語で挨拶をしたり、身近な単語を話すようにもなる。また、1歳3ヶ月ごろには、身振りで自分の思いを親しい人に伝えたり、片言で要求を言う姿も見られるようになる。1歳6ヶ月ごろには、自分の名前を呼ばれると、「アーイ」「ハーイ」などと応えられるようにもなってくる。2歳になるにつれて、保育者の話を聞いて、言葉の最後の音だけを言ったり、言葉の所々をオウム返しに言うようになる。また、「ちょうだい」「ダメ」「嫌」などの要求語や否定語も見られるようになってくる。さらに、知っている物の名前を言おうとしたり、友だちの名前を言う姿も見られるようになってくる。2歳~2歳6ヶ月頃では、いろいろな経験を通して言葉が豊かになり、保育者に仲立ちになってもらい、ごっこ遊びの中で友だちと言葉のやり取りを楽しめるようになってくる。また、日常では「おはよう」「さようなら」などのあいさつ語を使ったり、自分のしたいことや、してほしいことを言葉で伝えようとする姿も見られるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳では、「うれしい」「かわいそう」などの喜びや快の感情また、同情の言葉を使う姿も見られるようになってくる。日常では、自分の経験を保育者や友だちに話したがる姿も見られるようになってくる。

□対自分

・1歳頃には、保育者の音声やイントネーションを真似て、盛んに声を出し、「パパ」「ママ」などの発語や、一語文(例えば、「ママ」と言っても、「ママが来た」や「ママがいない」などのように、実際の生活場面によって、さまざまな意味を聞き手に伝える語)も話すようになる。1歳3ヶ月頃には、保育者の繰り返しの中から身近な言葉を覚えるようになる。1歳6ヶ月頃には、片言が盛んになり、自分の要求や思いを簡単な言葉で伝えようとする。2歳に向けて、「アッチ、ココ」など代名詞が出てきたり、「ママ、オシッコ」など二語の文章が言えるようになってくる。2歳~2歳6ヶ月頃では、身近な保育者の名前が言えるようになり、生活に必要な言葉も分かるようになってくる。また、自分のことをいつも呼ばれている名前で言う姿も見られるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳頃では、言葉の数が急速に増し、会話に繰り返しが多くなったり、「きょう」「あさ」など現在を示す言葉を使うようにもなってくる。また、名前を聞くと姓と名が言えるようにもなってくる。

□絵本

・1歳頃には、絵本を指さして声を出す姿が見られるようになる。1歳3ヶ月頃には、保育者と一緒に絵本を見ながら、ゴニョゴニョと簡単な言葉を繰り返し楽しむ姿も見られるようになる。1歳6ヶ月頃になると、本の中の知っている物の絵を指して名を言ったり、気に入った絵本などをじっと見る姿も見られるようになる。2歳頃になると、短い話を喜んで聞いたり、繰り返しのある言葉に興味を持つ。絵本から実物をイメージする事により、確かな認識が育っていく。2歳~2歳6ヶ月頃では、絵本などの内容が分かりイメージを持って楽しめるようになってくる。また、絵本をみながら本の中の絵について尋ねたり、尋ねられたりするのを喜んだり、簡単な言葉を繰り返し楽しむ姿も見られるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳にかけて、絵本や紙芝居に興味を持って聞く事ができるようになり、繰り返しのあるやり取りや面白い言い回しのある絵本や紙芝居を見ることを喜び、自分で言ったり好きな場面を再現したりまた、絵本の登場人物や動物などの好きな物になりきることを楽しめる姿が見られるようになってくる。好きになった物語は、何度でも聞きたがる姿も見られるようになってくる。