社会性 4歳児

社会性

ねらい

・相手の気持ちに気づき、意見のぶつかり合いがあっても徐々に自分たちで解決できるようになる
・友だちと一緒に活動する楽しさを味わう

仲間

□協同

・4歳児では、自分のやりたいと思うこと、して欲しいこと、自慢やけんか、好き嫌いの表出がはっきりしてくるため、トラブルが多くなるが、そのぶつかりの中で、友だちの立場や要求が分かるようになり、欲求がぶつかっても、徐々に相手の言い分を聞き友だちの遊びを尊重したり、自分たちで解決できるようになってくる。友だちの遊びに興味を持ち、同じ物を持ったり、作ろうとしたり、同じ動きをしたりして遊んだり、時には競い合う中で、仲間としての意識が芽生えてくる。行事やクラス活動など、クラス全体での活動に興味や期待を持ち、喜んで取り組む姿が見られる一方で、緊張や不安からみんなでする活動に気持ちが向かわなかったり、気持ちはあるが、一緒に活動できなかったりする子どもも見られる。友だちと遊びの中でイメージが重なることが増えたり、伝統的な遊びの中で、簡単なルールを守って自分たちで遊びを進める姿も見られるようになってくる。その中で、友だちが困っていることに気づき、励まし、助けたり、自分の思ったことを表現し、受け止めてもらえたうれしさを感じる場面なども見られるようになってくる。クラスの中で個々の力が発揮され、認められることで満足感や自信につながる姿も見られるようになる。共同の物を大切にし、譲り合う気持ちを持ったり、その準備や片づけをしようとする姿も見られるようになってくる。5歳児になると、目標に向かって友だちと協力して作品作りに取り組むなど、一緒に表現することの喜びを味わえるようになってくる。その中で、日常生活も含め、相手の意見も受け入れながら自己主張したり、欲求がぶつかっても自分たちで解決できるようになってくる。また、友だちの嫌がること、喜ぶことも考えられるようになり、困っていたり、悲しんでいる子に優しく声をかけたり、お互いが必要な時に、助け合う姿も見られるようになってくる。遊びでは、友だちに共感したり、自分の振る舞いの影響も考えながら展開していく一方で、思いや考えが伝わらず遊びが続かないこともある。当番活動や保育者が提案した課題に対しては、個やグループで受け止め、保育者や友だちと相談しながら、時間はかかるが自分たちでしようとする姿が見られるようになる。こういったグループ活動やクラス活動を通して、がんばっている友だちの姿を認めたり、励ましたりして刺激し合い、友だちの気持ちや良い所、得意な所にも気づき互いに認め合う姿も見られるようになってくる。このような経験の中で、自分の良さを友だちから受け入れられたり、認められたりして、自信を持って自分の力を発揮するようになっていく。

□ルール

・4歳児では、友だちと生活する中で、ルールの大切さに気づき守ろうとしたり、年下の子を助け、遊びやルールを教える姿も見られるようになる。一方で、ルールは分かっているが、自分の欲求のままに動く姿も見られたり、ルールを守らない友だちを責めたり、怒ったりしてトラブルになる姿も見られる。5歳児になると、集団遊びの楽しさが分かり、ルールのある集団遊びを通して、大勢の友だちと体を動かして遊ぶようになる。より遊びが楽しくなるよう、保育者とともに新しいルールを考えたり、そのルールを守って遊ぼうとしたりする姿が見られる。しかし、ルールを守らない友だちに対して責めたりする姿も見られ、遊びが続かなくなることもある。生活の中では、共同の遊具や用具を大切にし、譲り合って使うようになってくる。

□感情

・4歳児では、身の回りの人にいたわりや思いやりの気持ちを持つ姿が見られたり、優しくされたり親切にされることを喜ぶ姿が見られるようになる。また、競争心も芽生えてくる。5歳児になると、自分の考えや他人を批判する力(ずるい、おかしいなど)が芽生えてくる一方で、友だちへの思いやりを深め、一緒に喜んだり悲しんだり、友だちに対して許す、認めるなどができるようになってくる。その中で、相手の気持ちを察することもできるようになってくる。また、人前で笑われたくないなどの社会的感情も芽生えてくる。当番活動などでは、役に立つことをうれしく、誇らしく感じる姿も見られるようになってくる。

□自覚

・4歳児では、自意識が芽生え、見られている自分に気づくようになる。また、他人に迷惑をかけたら謝るという自覚も芽生えてくる。5歳児になると、集団の一員として、場や自分の役割を意識し、やり遂げる大切さが分かり、力を十分に発揮する姿も見られるようになってくる。

□異年齢

・4歳児では、年下の子どもには親しみを持ち、年上の子のしている活動には興味、関心を持ち、親しみや憧れを持って試そうとする姿が見られるようになる。5歳児においても、引き続き年下の子どもに優しくかかわり、愛情を持っていたわる姿が見られる。また、自分とは異なる文化を持った人に関心を持つ姿も見られるようになる。

大人

・4歳児では、保育者の話を自分なりに受け止め、考えたり指示を聞き行動しようとする姿が見られるようになってくる。その中で、思っていることや困っていることを保育者に伝えられるようにもなり、保育者に助けも求める姿も見られるが、言葉にならなかったり、泣いたりする姿も見られる。また、身近な大人の仕事や生活に興味を持ったり、それらを取り入れたりして遊ぶ姿が見られるようになってくる。5歳児では、来園者にあいさつをしたり、地域のお年寄りなど身近な人の話を聞いたり、話しかけたりする姿も見られるようになってくる。保育者の話を聞き、内容が分かって動いたり、困った時に保育者に相談することもできるようになってくる。また、相手、場所、場合に応じた話し方を理解できるようになってくる。

自然環境

・4歳児では、季節による自然の変化に気づき、木の実や落ち葉、花びらや葉などの自然物を使って遊ぶことを楽しむ姿が見られる。また、虫や動物を知り興味を持って触れ合う姿も見られる。生き物や植物の世話をし、動植物の成長に期待と喜びを感じ、命の大切さを知ることもできるようになってくる。5歳児なると、身の回りにある自然の美しさや季節の変化また自然事象に親しみ、その性質や変化、大きさ、不思議さなどに気づき、それらを取り入れて遊ぶ姿が見られるようになってくる。植物の生長の過程を観察したり、世話した野菜を収穫し、みんなで食べる喜びを味わえるようになってくる。また水を大切に使う事や、ゴミの分別などを通して、自然環境を守る大切さが分かるようになってくる。

地域

・4歳児では、保育所内外の行事に期待して参加し、行事を通してさまざまな人とかかわり、親しみを持つ姿も見られるようになる。また、自分とは異なる文化を持った人の存在にも気づくようになる。身近にある公共施設(病院、消防署、警察署、図書館など)の存在を知ることもできるようになる。5歳児では、高齢者や地域の人などとのかかわりを通して、相手を思う気持ちも芽生えてくる。