社会性 3歳児

社会性

ねらい

・相手の気持ちを知る
・ルールのある遊びの楽しさを感じる
・みんなで気持ち良く過ごすためのルールを知る

仲間

□協同

・3歳を過ぎると、社会性が芽生え、保育者にべったりだったのが、友だちと遊びたいと思い、その楽しさが分かるようになってくる。その中で、自分の思いを主張しながらも、保育者が仲立ちすることで、分け合う、順番、貸し借り、交代など簡単なルールを守って遊ぶことができるようになる。また、友だちとかかわって遊ぶことで、保育者の仲立ちのもと、友だちの話を最後まで聞くことができ、相手には自分と違う思いがあることを感じることもできるようになってくる。一方で、自分の要求を言葉(「貸して」など)や態度、表情で訴えるようになってくるが、思いが相手に伝わらなかったり、自分の思いを優先したりしてトラブルになることも見られる。また、思いが通らない時は泣いたり、叩いたりするなどの姿も見られる。仲の良い友だち2~3人とイメージを共有して、ごっこ遊びをしたり、鬼ごっこ、かごめかごめ、しっぽ取りなど、簡単なルールのある遊びを楽しんだりするようにもなる。4歳児なると、自分のやりたいと思うこと、して欲しいこと、自慢やけんか、好き嫌いの表出がはっきりしてくるため、トラブルが多くなるが、そのぶつかりの中で、友だちの立場や要求が分かるようになり、欲求がぶつかっても徐々に、相手の言い分を聞き友だちの遊びを尊重したり、自分たちで解決できるようになってくる。友だちの遊びに興味を持ち、同じ物を持ったり、作ろうとしたり、同じ動きをしたりして遊んだり、時には競い合う中で、仲間としての意識が芽生えてくる。行事やクラス活動など、クラス全体での活動に興味や期待を持ち、喜んで取り組む姿が見られる一方で、緊張や不安からみんなでする活動に気持ちが向かわなかったり、気持ちはあるが、一緒に活動できなかったりする子どもも見られる。友だちと遊びの中でイメージが重なることが増えたり、伝統的な遊びの中で、簡単なルールを守って自分たちで遊びを進める姿も見られるようになってくる。その中で、友だちが困っていることに気づき、励まし、助けたり、自分の思ったことを表現し、受け止めてもらえたうれしさを感じる場面なども見られるようになってくる。クラスの中で個々の力が発揮され、認められることで満足感や自信につながる姿も見られるようになる。共同の物を大切にし、譲り合う気持ちを持ったり、その準備や片づけをしようとする姿も見られるようになってくる。

□ルール

・3歳を過ぎた頃には、ルールを守ることに関心を示し、簡単なルールや約束を理解して、集団遊びも楽しめるようになってくる。4歳児なると、友だちと生活する中で、ルールの大切さに気づき守ろうとしたり、年下の子を助け、遊びやルールを教える姿も見られるようになる。一方で、ルールは分かっているが、自分の欲求のままに動く姿も見られたり、ルールを守らない友だちを責めたり、怒ったりしてトラブルになる姿も見られる。

□感情

・3歳を過ぎた頃には、友だちが困ったり泣いたりしていると、話を聞いたり、慰めたり、保育者に伝えに来たりする姿がみられるようになってくる。4歳児になるとさらに、身の回りの人にいたわりや思いやりの気持ちを持つ姿が見られたり、優しくされたり親切にされることを喜ぶ姿が見られるようになる。また、競争心も芽生えてくる。

□自覚

・4歳児になると、自意識が芽生え、見られている自分に気づくようになる。また、他人に迷惑をかけたら謝るという自覚も芽生えてくる。

□異年齢

・3歳を過ぎた頃になると、年上の子、また年下の子と遊ぶことができるようになり、年上の子の遊びを真似、憧れを持つようになる。4歳児になると、年下の子どもには親しみを持ち、年上の子のしている活動にさらに興味、関心をもち、親しみや憧れを持ってしようとする姿が見られるようになる。

大人

・3歳を過ぎた頃になると、保育者とのかかわりの中で、「見て!」「こっちに来て!」などと自分のしていることを保育者に知らせたり、かかわりたい気持ちを表したりする姿も見られる。その中で、保育者との折り合いもつけられるようになってくる。また、引き続き簡単な手伝いをすることを喜び、保育者から頼まれた簡単な用事もできるようになってくる。4歳児になると、保育者の話を自分なりに受け止め、考えたり指示を聞き行動しようとする姿が見られるようになってくる。その中で、思っていることや困っていることを保育者に伝えられるようにもなり、保育者に助けも求める姿も見られるが、言葉にならなかったり、泣いたりする姿も見られる。また、身近な大人の仕事や生活に興味を持ったり、それらを取り入れたりして遊ぶ姿が見られるようになってくる。

自然環境

・3歳を過ぎた頃には、気候の変化、雨などの自然現象また、風の冷たさや白い息などに興味を持つようになる。身近な自然や虫に親しみ、驚いたり、感動したりもする。また、飼育動物や栽培している植物などに触れて楽しむ姿も見られるようなってくる。4歳児では、季節による自然の変化に気づき、木の実や落ち葉、花びらや葉などの自然物を使って遊ぶことを楽しむ姿が見られる。また、虫や動物を知り興味を持って触れ合う姿も見られる。生き物や植物の世話をし、動植物の成長に期待と喜びを感じ、命の大切さを知ることもできるようになってくる。

地域

・3歳を過ぎた頃には、地域の人と触れ合うことを喜ぶ姿も見られるようになってくる。
4歳児では、保育所内外の行事に期待して参加し、行事を通してさまざまな人とかかわり、親しみをもつ姿も見られるようになる。また、自分とは異なる文化をもった人の存在にも気づくようになる。身近にある公共施設(病院、消防署、警察署、図書館など)の存在を知ることもできるようになる。