遊び 2歳児

遊び

ねらい

・見立て遊びを十分に楽しむことにより、イメージする力を養う
・粗大運動、手先を使った遊び、目と手の協応の遊び、構成遊び、模倣遊び、ごっこ遊び言葉遊びなどが十分に楽しめる環境を整える

全身運動

・2歳~2歳6ヶ月では、体全身でバランスを取ることができるようになり、走ったり、両足をあげてジャンプしたり、階段の手すりにつかまって一段ずつ上り下りができるようになってくる。戸外では、鉄棒にぶら下がったり、三輪車にまたがり、足で地面を蹴って進むこともできるようになってくる。また、逃げる、追いかけるなどの遊びも楽しめるようになってくる。室内では、音楽に合わせて体を動かしたり、高さ10cmの一本橋なども渡れるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳では、さらに全身運動が発達し、登る、押す、引っ張る、片足立ち、50cm位の高さから跳ぶなどの運動能力や平衡感覚が発達し、体を自分の思うように動かすことができるようになってくる。また、高さ20cmぐらいの平均台を、横歩きやすり足で渡ったり、リズミカルな運動や音楽に合わせて体を動かすことを楽しめるようになってくる。3歳を過ぎる頃になると、全身運動がしっかりしてきて、片足で10秒ぐらい立ってみたり、けんけんやギャロップもできるようになってくる。ボール遊びでは、両手でボールを投げたり、ボールをついたり受けたりすることもできるようになってくる。マット運動では、マットの上で横転や保育者の援助を借りて、前転もできる子も見られるようになってくる。また、20mぐらいを走りきったり、片道25分程度の散歩も行くことができるようになってくる。

手・指

・2歳~2歳6ヶ月頃では、積み木を5~6個積んだり、粘土を丸めたり、細長く伸ばしたりまた、紐通しも楽しめるようになってくる。この頃、丸も描けるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳に向けて、指先を使い、合わせ折りや三角形に折ることができるようになってくる。また、保育者と一緒にハサミで1回切りをしたり、徐々に自身で人差し指で糊付けができるようにもなってくる。3歳を過ぎる頃になると、ハサミの正しい持ち方を知り、連続して直線切りをしたり、簡単な形を切ることができるようになってくる。ブロックでは、ビルや電車など立体的な物を作れるようになってくる。粘土遊びでは、粘土を丸めたり、ちぎったり、伸ばしたりすることを楽しめるようになってくる。折り紙では、三角や四角も折れるようになってくる。

表現

□製作・絵画

・2歳~2歳6ヶ月頃では、クレヨンや絵の具で思いのままに塗ったり、描いたりし、描いた物を見立てるようにもなってくる。3歳に向けて、クレヨンや絵の具を使って表現することがより楽しめるようになり、フィンガーペインティングも楽しめるようになってくる。また、保育者と一緒に紙を糊で貼ったり、ハサミで切ることを楽しんだりもできるようになってくる。3歳を過ぎる頃になると、人や動物のような物など、簡単な絵が描けるようになってきて、目の前の物を見て描いたりすることもできるようになってくる。また、基底線(変形した基底線も)も見られるようになってくる。いろいろな素材や用具を使って、貼る、折る、つなぎ合わせるなどして好きな物を作って遊ぶこともできるようになってくる。

□音楽・リトミック

・2歳6ヶ月頃になると、簡単な歌や体操を覚えて、みんなと一緒に楽しめるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳頃では、音楽に合わせて動物の真似をしてみたり、簡単な劇ごっこを楽しめるようにもなってくる。3歳頃になると、音楽に合わせて友だちと一緒に動物や乗り物などの動きを真似て、身体で表現したり、歩いたり、走ったり、ジャンプするなど音のテンポや高低を聞き分けて身体で反応することもできるようになってくる。また、みんなで元気良く一緒に歌を歌ったり、カスタネットや鈴、手作り楽器などで2拍子のリズム打ちなども楽しめるようになってくる。

□自然

・2歳6ヶ月~3歳頃になると、色水遊びなども楽しめるようになってくる。3歳を過ぎる頃には、砂場で山やトンネルを作ったりなど、創造的な遊びを楽しめるようになってくる。

象徴機能

□予測

・2歳~2歳6ヶ月頃になると、保育者の行動をある程度予想するようになり、褒めてもらえそうなことを誇らしげに行い、「褒めてよ~」と言わんばかりにアピールするなど、相手の行動を予測するようなしぐさが見られ始める。3歳を過ぎる頃には、簡単な話の筋も分かるようになり、話の先を予想することができるようになってくる。また、保育者の表情を手がかりとしてメッセージを読み取ることもできるようになってくる。さらに、「こうするとこうなる」など、あらかじめ結果について予想することができるようになってきて、自分のしようとすることも、段々と意思と期待を持って自分から「~しよう」という気持ちも表れてくる。

□イメージ

・2歳~2歳6ヶ月頃になると、さらに象徴機能や観察も増し、保育者と一緒に簡単なごっこ遊びを楽しんだり、動物の真似をして遊ぶことも楽しめるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳頃では、経験したことの中で同じようなイメージを持って、保育者や友だちと一緒に見立てたり、なりきったりして遊ぶことを楽しめるようになってくる。そして徐々に、保育者を仲立として、同じ場にいる子と一緒に見立て、つもり遊びを楽しめるようになってくる。3歳を過ぎる頃には、遊びの内容にも象徴機能や想像力を発揮した発展性が見られるようになり、好きな絵本の内容を簡単な劇遊びにして、好きな登場人物になりきって遊んだり、その中で感じたり考えたりしながら、自分のイメージを表現し楽しむ姿が見られるようになってくる。また、積み木で家を作るなど、…のように、…みたいなど、身近な物になぞらえて、いろいろな形を想像して作ることを楽しむ姿も見られるようになってくる。この頃、アニミズム(植物や無生物などに人間と同じ心や意思があると信じる心の働き)が見られる。また、同一化(同一視)(他者の持つ属性を自己の内に取り入れ、それと似た存在になること。これは無意識的に生じるので、意識的になされる模倣とは区別される。同一化により、社会的規範を学ぶ反面、同一化が強すぎると個性を無くしてしまう面もある)も見られる。

言葉

□対相手

・2歳~2歳6ヶ月頃では、いろいろな経験を通して言葉が豊かになり、保育者に仲立ちになってもらい、ごっこ遊びの中で友だちと言葉のやり取りを楽しめるようになってくる。また、日常では「おはよう」「さようなら」などのあいさつ語を使ったり、自分のしたいことや、してほしいことを言葉で伝えようとする姿も見られるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳では、「うれしい」「かわいそう」などの喜びや快の感情また、同情の言葉を使う姿もみられるようになってくる。日常では、自分の経験を保育者や友だちに話したがる姿も見られるようになってくる。3歳を過ぎる頃には、あいさつや返事など生活や遊びに必要な言葉を自分から使えるようになってくる。また、困ったことや分からないことを伝えたり、簡単な質問に答えられ、伝言もできるようになってくる。さらに、自分のしたいことやしてほしいこと、経験したことや思ったことまた、感じたことを保育者や友だちに話す姿も見られるようになってくる。この頃、「なぜ」「どうして」と盛んに質問する姿も見られる。

□対自分

・2歳~2歳6ヶ月頃では、身近な保育者の名前が言えるようになり、生活に必要な言葉も分かるようになってくる。また、自分のことをいつも呼ばれている名前で言う姿も見られるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳頃では、言葉の数が急速に増し、会話に繰り返しが多くなったり、「きょう」「あさ」など現在を示す言葉を使うようにもなってくる。また、名前を聞くと姓と名が言えるようにもなってくる。3歳を過ぎる頃には、普通の会話が支障なくできるようになる(話し言葉の基礎ができる)。一人称、二人称も使えるようになってくる。また、大人の会話に興味を持って聞き入り、話し方も大人の真似ができるようになってくる。言葉のルールにも気づき始め、おにぎり1個のように、数えられる名詞が分かるようになったり、新しい、大きい、強いなどの形容詞も使えるようになってくる。さらに、「…だから、…になった」など原因と結果を結びつけた言い方も見られるようになってくる。「きのう」「きょう」「あした」などの言葉で過去、現在、未来を話したり、新しい言葉や、使い方にも興味を持ち、興味を持った言葉を、面白がって聞いたり言ったりして楽しむ姿も見られるようになってくる。

□絵本

・2歳~2歳6ヶ月頃では、絵本などの内容が分かりイメージをもって楽しめるようになってくる。また、絵本をみながら本の中の絵について尋ねたり、尋ねられたりするのを喜んだり、簡単な言葉を繰り返し楽しむ姿も見られるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳にかけて、絵本や紙芝居に興味を持って聞くことができるようになり、繰り返しのあるやり取りや面白い言い回しのある絵本や紙芝居を見ることを喜び、自分で言ったり好きな場面を再現したりまた、絵本の登場人物や動物などの好きな物になりきることを楽しめる姿が見られるようになってくる。好きになった物語は、何度でも聞きたがる姿も見られるようになってくる。3歳頃では、本の中の絵を見て、絵本の内容を自分で話したり、絵本や紙芝居を見て、好きな言葉を言ったり、なりきって表現したりすることを楽しむ姿が見られるようになってくる。