生活 1歳児

生活

ねらい

・自分でやりたいという気持ちを受け止めるとともに、さりげなく援助することで、意欲へとつなげる
・環境を整えることにより、一人ひとりに対して丁寧な援助ができるようにする

生活全般

□生活

・1歳6ヶ月~2歳未満の間で、保育者の手助けを受けながら、簡単な身の回りのことをしようとする姿が見られる。2歳6ヶ月~3歳の間では、保育者との安定したかかわりの中で、基本的生活習慣に意欲を持ち自分でしようとする姿が見られるようになる。また、生活の中で決まりがあることを知り、簡単な決まりを守ろうとする。

□身支度

・2歳6ヶ月~3歳の間では、保育者に見守られながら簡単な身の回りの支度を自分でしようとしたり、助けを借りて服装や髪を整えたりする。

□片づけ

・1歳を過ぎる頃から、保育者の真似をして一緒に片づけをしようとする。1歳6ヶ月を過ぎる頃には片づける場所が分かり始め、保育者と一緒に片づけをしようとする。2歳~2歳6ヶ月では、遊んだ後に使った玩具などを区分された戸棚に入れることができるようになってくる。3歳になるに向けて、保育者と一緒に使ったものを元に戻すことだけでなく、玩具を友だちと一緒に片づけることもできるようになってくる。

健康

□体

・1歳6ヶ月~2歳までの間で、上6本下6本の歯が生え揃う。2歳6ヶ月~3歳の間で、食べ物をすり潰す臼歯という上下の奥歯の歯が生え、乳歯20本(上10本下10本)が生え揃う。

食事

□意欲

・完了食(3回食:パクパク期)(12~14ヶ月)では、歯茎で噛める固さ(肉団子程度)の食べ物を、手づかみでどんどん食べようとする。この頃は、口を上下左右によく動かし咀嚼することを経験する時期である。牛乳やミルクは1日300ml~400mlぐらいで、栄養のほとんどを離乳食から摂取するようになる。牛乳やミルクでカルシウムを補給する。いろいろな食品の味や形態に慣れ、食事に期待を持ち、自分から食べようとすると同時に、食物の好みがはっきりしてくる。
・乳児食(1歳3ヶ月~6ヶ月)では、前歯で噛じり取りができるようになる。自分で食べる気持ちが強くなり、介助されるのを嫌がる。食事の主導権は保育者から子どもへ移行してくる。こぼしながらも手づかみやスプーンで食べるようになる。促されれば嫌いな物でも食べてみようとする。
・1歳6ヶ月~2歳未満では、自分の場所で食べることに気持ちが向き、スプーンやフォークを使い最後まで自分で食べようとする。この時期は咀嚼の臨界期になるので、保育者が噛む真似をし、良く噛んで食べる習慣が身につくようにする。保育者や友だちと同じ場で楽しく食べたり、嫌いな食べ物も少しは食べたりするようになる。
・2歳~2歳6ヶ月では、同じテーブルの友だちと一緒に食べることを喜ぶ姿が見られる。2歳6ヶ月~3歳では、苦手な物を少しずつ食べてみようとしたり、さまざまな食べ物を進んで食べてみようとする姿も見られるようになってくる。また、最後までほとんど自分で食べることができるようになってくる。

□食具

・1歳を過ぎる頃には、こぼすことも多いがスプーンやフォークを使って自分で食べようとしたり、コップを自分で持って飲もうとする。しかし、1歳6ヶ月ぐらいまでは手づかみが中心。1歳6ヶ月を過ぎる頃には、自分でスプーンやフォークを上手握りで使い、口へ運ぶのが徐々に上手になってくる。コップも飲む時にこぼさなくなってくる。2歳6ヶ月~3歳では、上手握りでスプーンやフォークを横にしたまま口に持っていくことが多く、頻繁にこぼすことが多かったが、徐々に親指と他の4本の指で手のひらを上にスプーンを持ち、こぼすことが少なくなってくる。また、持てる食器を持って食べることもできるようになってくる。この頃、利き手もはっきりしてきて、スプーンを持つ手もどちらかに一定するようになる。

□介助・マナー

・1歳を過ぎる頃から、子どもたちは自分でスプーンやフォークを使いたがるので、保育者用の介助スプーンと子ども用のスプーンを用意するようにする。1歳6ヶ月前後では、器に手を添える姿も見られるようになってくる。2歳になる頃には、保育者と一緒にエプロンやおしぼりをたたむ事も楽しむようになる。2歳~2歳6ヶ月頃は、食べる前に「いただきます」、食べた後に「ごちそうさま」と言えるようになってくる。3歳になるに向けて徐々にこぼさないで食べられるようになってくる。また、決まった席で食べたり、自分でイスを引いて座り、食べ終えたらイスを入れる事もできるようになってくる。

排泄

□身体

・1歳頃になると、排尿の間隔が長くなり、1回の量が多くなってくる。1歳3ヶ月~6ヶ月では、嫌がらずにオマルや便器に座る姿も見られるようになる。1歳6ヶ月前後では、おむつが汚れていない時に、オマルやトイレに座ると排泄するときもある。2歳になるに向けて、排尿の一定化が見られるようになってくる。2歳~2歳6ヶ月の間では、徐々にパンツに排便すると、気持ち悪がったり、保育者の言葉がけでトイレに行き、見守られて排泄する姿も見られるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳では、膀胱の機能が発達しおしっこの間隔が2~3時間空き、尿意を感じられるようになってくるため、尿意、便意を保育者に伝える姿も見られるようになってくる。パンツで過ごすこともできるようになってきて、保育者の助けを借りてパンツを下げトイレを使用するようにもなってくる。

□伝達

・1歳3ヶ月頃になると、排便した後に表情や動作で知らせることがある。1歳6ヶ月~2歳にかけて、オムツが濡れると、シーシーやチッチなどの動作や言葉で伝えるようになる姿も見られる。2歳~3歳ぐらいでは、「うんち」「おしっこ」と言葉で区別して、知らせる姿も見られるようになってくる。

□清潔

・2歳6ヶ月~3歳の間では、排泄後自分で手を洗ったり、徐々にではあるが、トイレットペーパーの使い方など排泄後の後始末の仕方を理解するようになってくる。

衛生

□身体

・1歳を過ぎる頃には、保育者が「顔を拭きましょう」と言うと、タオルを顔に持っていく姿も見られるようになってくる。1歳6ヶ月~2歳になるに向けて、手が汚れたのが分かり、保育者に両手を持ってもらい、手を洗ったり、助けを借りて食事後に口や手を拭くようになる。2歳~2歳6ヶ月頃は、保育者と一緒に食べる前や排泄後の手洗いをする。また、水を口に含んで吐き出すこともできるようになってくる。鼻水が出ると自分で拭こうとする姿も見られるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳では蛇口をひねり、体に水をはねかけないように自分で手を洗えるようにもなってくる。また、水を飲み込まないでブクブクうがいができるようになり、徐々にガラガラうがいもできるようになってくる。鼻水が出ると、徐々に鼻をかむこともできるようになってくる(鼻をかむことは2歳頃までに習慣づけたい行為の一つ。子どもが保育者の模倣を始める1歳を過ぎた辺りから、鼻をかむ行為を伝えていくようにする。まず、保育者が片方ずつの鼻腔をおさえて鼻をかむ姿を見せたり、子どもの鼻腔をおさえて鼻をかむように促したりする)。また、服が汚れると保育者に伝えてくるようにもなってくる。

午睡

□午睡前

・1歳3ヶ月過ぎ頃から、眠る前に布団の中でしゃべったり、歌ったり、動き回ったりして眠る姿も見られるようになる。2歳~2歳6ヶ月では、自分で布団をかける姿も見られるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳にかけて徐々に寝るときに静かにすることが分かるようになってくる。

□午睡中

・1歳を過ぎる頃からは、午睡時間が一定し、安定してくる。起きている時間が長くなり、午前寝がなくなり午後の1回寝に近づいていく。1歳3ヶ月頃には、午前中に眠ることもあるが、昼寝は1日1回となってくる。

□午睡後

・1歳を過ぎる頃には、目覚めると呼んで知らせることもある。2歳6ヶ月~3歳頃では、徐々に起きた子から静かな遊びをすることができるようになってくる。

着脱

□衣類

・1歳を過ぎる頃になると、着替える時に手や足を動かし、簡単な衣服を脱ごうとする。また着替えの際に、保育者の言葉がけに合わせた動作をしようとする姿も見られるようになってくる。1歳6ヶ月前後では、保育者に着替えさせてもらいながら、手や足を通そうとしたりする姿も見られる。また、ボタンを外すと自分で脱ごうとしたり、自分で着ようとしてパンツの片方に両足を入れたりする。2歳になるに向けて、簡単な衣服は、保育者に手伝ってもらいながら脱ごうとしたり、パンツに足を通してあげると自分で前の方だけあげたり、首を通してあげると、自分で手を通そうとする姿も見られるようになってくる。2歳~2歳6ヶ月では、保育者に援助されながら自分で衣服の着脱をしようとする。2歳6ヶ月過ぎには、徐々に自分でパンツやズボンを脱いだり、上着を着るなど簡単な衣類は一人で着脱ができるようになってくる。

□衣類以外

・1歳を過ぎる頃になると、自分で靴を脱ごうとする姿が見られ、1歳6ヶ月頃には履こうとする姿も見られるようになってくる。2歳になるに向けて、ボタンやスナップに興味を持ち、引っ張って外そうとする姿も見られるようになってくる。2歳~2歳6ヶ月頃では、靴を一人で脱ごうとしたり、履こうとしたりし、徐々に脱げたり履けたりするようになってくる。また、自分で靴下を履こうとしたり、ボタンやホックをはめようとする姿も見られるようになってくる。散歩時には、帽子をかぶろうとする姿も見られるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳では、保育者に少し援助されながらも、靴をだいたい自分で脱ぐ、履くようになってくる。また、前のボタンを一つ二つはめてみたり、自分で帽子をかぶれるようにもなってくる。

□整理

・1歳6ヶ月を過ぎる頃には、自分の衣服などを保育者と一緒に決められた場所にしまおうとする姿が見られるようになってくる。2歳~2歳6ヶ月頃では、保育者に助けられながら脱いだ服をたたんだり、決まった場所に片づけられるようになってくる。2歳6ヶ月~3歳頃は、保育者に見守られながら、自分で衣服の着脱をし、服をたたみ片づけることができるようになってくる。