発達特性をもつ子への個別対応の必要性

【自然と学べることが学びづらい】

・子どもたちは園生活の中で意識しなくても自然と、友だち関係やルールを守るなどの対人関係、また食事をする、排泄をするなどの生活習慣を学んでいきます。しかし、気になる子や発達特性をもつ子の場合、苦手な部分があることによって、自ら自然と学ぶことが難しい場合があります。そのため、個々の特性に応じて伝えたり、かかわることにより、一人ひとりの経験が生活の中で流れてしまうのではなく、着実な学びへとつながると考えます。このようなかかわりをすることで、子ども自身が自然と生活の中で学び、自分で経験を積み、個々のペースで成長できるようになってくると考えます。

【臨床心理士からのコメント】

・発達障害という言い方が使われていますが、私は「発達特性をもつ子」「もつ人」と表現しています。私たちは誰しも「得意なことや苦手なこと」また「素質」と呼ばれる、その人に自然と備わっているものをもって生まれてきます。その中で、現在の社会では「適応しづらい」「不自然」となってしまうような「発達の特性」をもつ子や人もいます。そういった子や人に対して、私たちの社会の基準に沿って「障害」という枠組みをつくるのには抵抗があります。障害ととらえずに、「私たちと一緒の何らかの特性をもつ子、人」ととらえ、一緒に生活していくことが自然な姿ではないでしょうか。それは私たちが受けてきた教育の裏側の理解、深みにつながるような気がします。