引っこみ思案

引っ込み思案
・引っ込み思案の子どもは他者に興味、関心を持ち、かかわりたいと思いながら他者との相互作用に対して消極的行動を示したり、また、他者との相互作用だけでなく、新しい課題への取り組みなどもさけようとすることがあります。

(考えられる3つの検討要因)
①円滑な対人関係を成立させるのに必要な、親密性、会話能力、共感性、自己主張性などの社会的スキルの発達が遅れているために、対人場面において適切な行動を適時に起こせないことが考えられます。このタイプでは、自発的に対人場面に加われませんが、相手から誘われれば参加できるといった受け身的な態度や、保育者の指示への依存的態度などが認められることがあります。しかし、全般的な知的な遅れがあるわけではないので、対人的相互作用のない一人遊びなどの場面では、十分適応的に活動できます。

②対人場面に対する不安を伴うことが考えられます。対人場面で失敗するのではないか、相手に笑われないだろうか、などと否定的な結果を強く予期するために、大勢の人に見られるとか、人前で話さなければならない、といった場面になると過剰な不安と緊張が喚起されます。

③意志的、自発的な引っ込み思案ということが考えられます。人と関わりながら行動することに価値をおかず、むしろひとりで活動することを自分から選択している場合です。

(かかわり方)
・子どもの得意なところを見つけ、保育者や友だちからの認められる機会を多く積むことが大切になってきます。一般的に社会や教育が求める一定水準の「良い」[悪い]の枠と照らし合わせて観るのではなく、いまの子どものありのままの姿を受け入れ、「その子の得意なことは何か?生き生きしているときはどんな時か?」という視点で子どもを観ていくという、新たな視点が大切になってきます。「子どもたちが得意なことや好きなことで自信が持てる」ことは、生きていく上でとても重要になってきます。幼児期から「僕は、~は得意なんだけど、~は苦手なんだ」と自分のことがよくわかるようになることは、これから成長して「自分」という人間を作り上げていくための土台となるかもしれません。そして、それが誰にとっても幸せなことではないでしょうか。