保護者支援

保育者として、「保護者支援」も重要な役割の一つです。その、保護者支援について、以下の3つのイラストをご紹介します。
名称未設定 1

名称未設定 2

名称未設定 3

①の場合、「子どもの様子」を踏まえずに、保育者も保護者もどちらも一方的に自分の意見や、考えを述べている状態です。互いが分かり合えない状態です。
②の場合、「子どもの様子」を互いが踏まえていますが、互いの場所から話しています。例えば、「園では、思い通りにならないと、お友だちをたたくことがある」としても、家ではそういったことがないかもしれません。その場合、保育者は「園でよくあること」としてとらえますが、保護者にとっては「よくわからないこと」になるかもしれません。保護者にとっては園での子どもの様子は分かりづらいものです。そのため、「子どもの様子」を互いが踏まえていますが、分かり合えない状態です。
③の場合、互いが「子どもの様子」を踏まえ、互いの意見や、互いの場所からではなく、「子どもはどう見えているのか?感じているのか?」を中心にして、「子どもの感覚」という同じ目線、同じ感覚であたかも、保育者と保護者が同じベンチに座って、一緒に考えている状態です。この状態になると、互いが分かり合える状態に近づきます。

保護者にとって、園での子どもの様子は分かりづらいものです。そのため、日ごろから、園での子どもの様子を伝えたり、同じ目線で子どもと関わる姿勢を、嘘偽りなく示していくことが、③の状態に近づくと考えられます。

【臨床心理士からのコメント】
先の予測がつかないと、誰でも不安になりますね。保護者の方も、「園での子どもの様子」が分からない、または「保育者の考えていることが分からない」と不安になります。そのため、日ごろから園での子どもの様子や、保育者の思っていることを、子どもの目線に立って伝えていくことが保護者支援につながります。カウンセリングの中で、ロジャーズの「自己一致」という考えがあります。これは「自分が思ってもないことを伝えない」ということに関連します。例えば、本当に保護者の方の大変さを感じていないのに、「大変ですね」と声をかけることなどです。一見、「大変ですね」と伝えることは保護者支援につながるような気がしますが、保育者が「本当にそう思っていない」のであれば、その偽りはいつか保護者の方に非言語的にも伝わり、最終的には保護者支援にならないということです。