9月の環境部会に行ってきました!!

 

1.0歳児さんと音楽

・今回の環境部会では、「音楽」をテーマに映像を含めながらの意見交換となりました。映像では、保護者の方の膝の上で、0歳児さんが、アイルランドの音楽やわらべうたの生演奏を、じっくりと聴いている姿が見られました。
意見交換の中で、映像提供者の方が保育園で太鼓を使って、同じように音楽を提供した際のお話も伺えました。その際に、保育者の子どもへのかかわりとして、「保育者が子どもの手を持って太鼓を叩かせる」というかかわりが見られたとのことでした。普段の保育の中では何気ない保育者のかかわりのように思えるかもしれませんが、みなさんはどう感じられますか?

 

2.子どもが選択し決定する

・意見交換の中で、井上さく子さんから、「子どもが選択し決定する」という言葉を伺えました。例えば、音楽を流してそれに反応することで「上手!!」と保育者から言われる。そうすると子どもたちは「何か応えないといけないのかな?」という気持ちになり、反応したりする。また、「さあ、みんなおいで!!」と保育者の声に誘われ音楽に合わせて踊ってみる。このような場面で、そこにはたとえ0歳児さんでも葛藤があるのではないか?という内容のお話を伺えました。
このようなお話から、先ほどの「保育者が子どもの手を持って太鼓を叩かせる」と照らし合わせて考えると、音楽を流してそれに反応することで「上手!!」と保育者から言われるや「さあ、みんなおいで!!」と保育者の声に誘われ音楽に合わせて踊ってみるの中には、「子どもが選択し決定する」ではなく、無意識に保育者は「保育者が選択し決定する」を普段の保育の中でしてしまっているように感じました。

 

3.赤ちゃんの世界から丁寧な経験をくぐらせてもらった体験

・また、意見交換の中で、井上さく子さんから、「赤ちゃんの世界から丁寧な経験をくぐらせてもらった体験」という言葉も伺えました。先ほどの音楽を通した体験ひとつとっても、保育者がどのような心持ちで子どもにかかわるかということで、目の前の子どもの体験は大きく変わってくると感じました。また、「赤ちゃんの世界はいろいろなことをよく知ろうとしている」という言葉も伺えました。その中で今回は「音楽」がテーマの話し合いでしたが、「音」として考えると、私たちが普段子どもたちに伝えている声の大きさや、生活音など「いろいろなことをよく知ろうとしている」赤ちゃんにとって、果たして心地よい音なのだろうか?ということを考えさせていただきました。

 

〇日本保育者未来通信として

・今回の「音楽」をテーマにした話し合いの中で、改めて保育者の意識面が非常に大切だと痛感しました。「音楽はこういうもの」と保育者が選択し決定することで、子どもが選択し決定する機会を奪ってしまっているのではないか。しかしそこで、日本保育者未来通信が考える「子どもたちが表現している自然な姿」を十分に味わえる環境を整えることと照らし合わせると、「音楽」というのもひとつの「素材」ではないか。「素材」なのでそれをどのように感じ、どのように使うかは子どもに任せることが大切ではないか。これは音楽に限らず、例えばブロックひとつとっても、「ブロックはこうやって使うもの」ではなく、「ブロックもひとつの素材」として捉えてみる。そうすることで、「子どもが選択し決定する」につながるのではないか。これは保育者が「音楽」にしても「ブロック」にしてもどのようにこれらを意識するかによって変わってくると感じました。保育者がこれらのものを「素材」として意識することで、「子どもが選択し決定する」につながり、それは「あなたはあなたが感じたように表現すればいい」という子どもへのメッセージにもつながるように感じました。保育者は保育の中でこれらの音楽やブロック以外にも、声かけやコーナー保育などの環境設定も含め、さまざまなものを提供しますが、これらをどのように意識して提供するかが非常に大切だと感じました。意見交換の中で、井上さく子さんから、「音楽を聴いたときにまずは保育者が、おもしろそう!!や楽しそう!!と感じられることが大事」というお話がありました。保育者はさまざまなものを提供しますが、提供したものをどう使うかは子どもに任せる、保育者は「おもしろそう!!」や「楽しそう!!」という姿だけを見せるということが大切なように感じました。これらの保育者のかかわりが、日本保育者未来通信が考える「子どもたちが表現している自然な姿」を十分に味わえる環境につながると感じました。