子どもと保育者の位置

先日、東京都内の保育園にて園内研修を行いました。その中の一つのテーマで、「保育観(頭)で考えるのでなく、身体で感じる」というワークをエピソードを通して行いました。エピソードは、「みんなが帰る準備ができて、手をつないで並んで待っている。しかし、虫探しに夢中で、公園から帰りたくないと言っているBくん(2歳児)」がいるという内容です。子ども役と保育者役で分かれ、子ども役は必死に虫を探し、保育者役は1回目は、「このエピソードの状況で今何を考えるか」、2回目は、子どもと同じ行動やしぐさなどをしながら、「身体が何を感じているか」というものです。その中で、1回目の時は「いかに子どもに声をかけて園に戻れるか」のような考えがあったのに対して、2回目は「楽しい、もっと何かいるかな」など子どもの感覚を味わえたなどの感想がありました。
私たちは普段の生活でも、保育の中でも、図の➀のような位置でいることが多いように思えます。でも、➁の位置に居て、「身体で感じる」ということをしてみると、本当の子どもの姿が感じられるのかもしれませんね。それは、私たち人類がもっている共通点なのかもしれません。
心理学の中で、「フォーカシング」というものがあります。その考えに少し近いかもしれません。フォーカシングとは、「まだ言葉にならないような、からだで感じられる微妙な感覚に注意を向け、そこから言葉を出していく作業」です。(日本フォーカシング協会 HP引用 https://focusing.jp/aboutfocusing)
子どもと身体を照らし合わせて、保育者も子どもと同じ位置に居て、同じものを見て、身体で感じるということが大切なのかもしれませんね。子どもと保育者の位置