(Saturday22)『はじめての描画活動』

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〇Saturday 22 『はじめての描画活動』

・今回は、はじめての描画活動について3週にわたり検討しました。提案の経緯として、描画活動の際に、子どもたちが「間違えた」と言って見られるのを嫌がったり、保育者が「絵が苦手なんで」と敬遠する声が実際の現場であったというところからでした。そして、日本保育者未来通信として、「表現そのものを味わう」や「その表現行為自体が楽しい」という視点で「描画活動」を見直しました。
まずは、メンバーが今まで実践したことのある事例を出し合い、その後『はじめての描画活動』の際の、①保育者の動き、②用意するもの、③場所の使い方、④時間の使い方について検討しました。

 

【事例】

【0歳児】 
・割り箸に丸めたガーゼをつけてポンポンとしたり、ハンドペインティング。

【1・2歳児】
・フィンガーペインティングやボディ―ペインティング。(その表現過程のおもしろさ、感触や偶然性を楽しむ)ハンドペインティングで立体の物に色をつける、フットペインティング、コロコロを使ったペンキ屋さんごっこ。

【2歳児】 
・和紙を使ってのにじみ絵。(いろいろな模様ができる偶然性を楽しむ)

【4・5歳児】 
・「いろいろな筆の使い方をしよう!」という活動で、ひたすら線を描いた画用紙は風に、点々を描いた画用紙は雨に、好きなように描いた画用紙は大嵐に。

【5歳児】 
・墨汁を使っての吹き絵。
・墨汁遊び。(透明カップに墨汁を入れて筆を用意。紙に描いたり、手についた墨汁をじっと見たり、カップが倒れてしまって流れ出た墨汁を眺めたりなど、ただ描くのではない、触れて感じる活動)

 

【4つの環境について】

【保育者の動き(かかわり、意識面)】 
・「何かをつくる」ではなく「思い切り表現を楽しむ」。

【場所の使い方】 
・多少汚れても平気な場所。できれば食事、午睡をとる場所とは違う場所。すぐに片付けるのではなく、そのままにしておけるような場所。

【用意するもの】 
・クレヨン、クレパス、クーピー、色鉛筆、鉛筆、水性マジックなど。画用紙類にこだわらず描画活動をする際に使用できそうなもの、絵の具、筆、足拭き、雑巾、手拭き、着替えなど。

【時間の使い方】 
・時間の許す限り

・上記4つの環境を考えると、「アトリエ」のような場所を用意し、子どもたちが表現したい時にさまざまな画材を使って、時間の許す限り行える環境を用意することが良いのではないかという話も出ました。また、保育者が画材の使い方は教えるが、「表現」の仕方を教えるのでなく、日頃から一流の作品を見ることのできる環境を作っておくことが大事なのではないかという話も出ました。こうすることで、子どもたちにとって表現活動自体が楽しい活動になるのではないかという話し合いとなりました。アトリエコーナーは常設したいが、難しい場合は、机上遊びのコーナーに、クレヨン、色鉛筆などを用意するのも最初の一歩目として考えられるのではないかという意見も出ました。また、描画活動をするときに、アトリエのような場所を用意し、子どもが自由に表現できる環境がある一方で、保育者の願いやねらいも含め、みんなで何かを表現する機会をつくっても良いのではないかという意見も出ました。

今後、上記の内容を踏まえ、メッセンジャーでの『描画活動』について実践を発信しますので乞うご期待を!!