いるま保育園さん 保育実践Before after!!

 

いるま保育園さん 保育実践Before after!!

・2018年6月8日に埼玉県狭山市にある、社会福祉法人いるま保育会いるま保育園さんを見学させていただきました。3,4,5歳児クラスの「主活動」に対する取り組みや、各クラスの部屋の壁を取り壊した実践について、園長先生からお話を伺いました。11年前の実践と、現在の実践の“保育実践Before after”をご紹介します。

〇園の概要
名称      :いるま保育園
所在地     :埼玉県狭山市北入曽1294-1
運営(設置)主体:社会福祉法人 いるま保育会
代表者     :理事長・園長:小川 勝利
創設年月日   :昭和33年4月1日
定員      :90名 ※対象者 0歳~5歳児(0歳…6人、1歳…10人、2歳…14人、
3歳…20人、4歳…20人、5歳…20人)

Before (11年前)

〇活動:主活動     〇年齢:3歳児、4歳児、5歳児
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・11年前までは3歳児、4歳児、5歳児のそれぞれに部屋があり、子どもたちはそれぞれの部屋で過ごしていました。当時は、各クラス別で主活動が行われ、例えば3歳児クラスのその日の主活動が散歩であると、子どもたちは自ら選択はできず、全員が散歩に行くことになります。
散歩に行きたい子にとっては、充実した時間となりますが、散歩に行きたくない子にとっては、「どうなのだろうか?」という疑問が保育者の中で生じていました。

そこで「子どもたちの育ちを優先した保育の実践」をねらいに子どもたちが自ら主活動を選択できる実践へと保育を変えました。

After (現在)

〇ねらい:子どもの育ちを優先した保育の実践
保育者の動き)
(前日)
・前日の帰りの会で、保育者は明日の活動を子どもたちに伝える。
(当日)
・ボードの内容、子どもの人数などに応じて、職員の動きや配置を決め、子どもたちと過ごす。

用意するもの)
・子どもが主活動を選択するボード(写真①)

子どもたちの様子)
・子どもたちの表情が生き生きしてきた。保護者からは「家で明日の活動のために、自ら早く寝るようになった」という声も聞かれるようになった。

〇子どもが主活動を選択するボード(写真①)
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(ボード使い方)
・登園すると3歳児以上の子どもたちは、ボードに書かれた主活動の内容(園庭遊び、散歩など)を見て、自分の写真のマグネットを番号の部分に貼り、自分の好きな活動をする。

(保育者の願い)
・このボードには、“保育者のねがい”も含まれています。子どもたちが自由に活動を選択する中
で、保育者として子どもたちに経験してもらいたいことも、ボードの中に盛り込みます。例えば制作では、習熟度別に少しずつ難易度を分け、子どもたちは自分たちでできそうな制作を行います。(ボードの活動内容に「ハサミを使う制作」「自由に行う制作」など)その際に、すべてのことを経験してもらいたいという保育者のねがいがあれば、1番目にやりたいこと、2番目にやりたいこと、3番目にやりたいことというように子どもたちが選びます。そのため子どもたちは、「何か制作があるからやらされている」というのではなく、すべて自分で選択して、すべてのことを経験していきます。
また、外遊びやプール遊びなどでも、遠いお散歩、近くのお散歩、園庭と選ぶことができたり、プールでは思いっきり遊ぶ子、少し水遊びをする子などボードに活動の内容を分けることで、保育者のねがいで経験してほしいことを、その子なりのペースで経験することができます。

室内環境 Before after

・同時に11年前に3,4,5歳児クラスを分けていた壁をすべて取り壊しました。そして、3~5歳児の子どもたちは、壁を取り壊した広い空間で、その中に設置されているさまざまなゾーン(おままごとゾーン、積み木ゾーン、粗大遊びのゾーンなど)で自由に遊びます。
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子どもたちの様子
・これによって、登園してきたら自由に子どもたちが主活動を決めて遊ぶのと同じように、室内においても自由に子どもたちが好きなところで遊びます。子どもたちの様子はとても落ち着いていて、それぞれのゾーンでゆったりと遊んでいるという印象を受けました。

〇園長先生のお話
・園長先生に「このような保育をして、職員の方は子どもたちをすべて把握することができますか?」という質問をさせていただきました。その際に、「確かにすべての子を把握するということも大切ですが、すべての子を把握することで、以前のようにクラス別にして管理保育をするというのは子どもにとってどうなのかと考えました。その結果、やはり私たちは子どもの主体性・自発性を大切にし、子どもの育ちを最優先にし、このような保育を実践しています。そして、子ども自ら危険を察知し、それを回避する力を培っていきたいと考えています。」とおっしゃっていました。

私たちは、いるま保育園さんの実践をすべて行うことは難しいとしても、このようなエッセンスと実践を参考に、私たちができることを少しずつ実践していくことが、将来の子どもたちにとって非常に重要だと感じました。