生活 0歳児

生活

ねらい

・保育者による全面介助により、不快な状態から心地良い状態になることを経験する

生活全般

□生活

・1歳6ヶ月~2歳未満の間で、保育者の手助けを受けながら、簡単な身の回りのことをしようとする姿が見られる。

□片づけ

・1歳を過ぎる頃から、保育者の真似をして一緒に片づけをしようとする。1歳6ヶ月を過ぎる頃には片づける場所が分かり始め、保育者と一緒に片づけをしようとする。

健康

□体

・細菌による感染に対して、乳児は免疫グロブリン(抗体)を作って対抗するが、その準備ができるまでに半年ぐらいかかる。そのため、母乳(特に初乳)の中に含まれている、免疫グロブリンで補っている。3ヶ月を過ぎる頃になると、体温調節が安定し始めるが、まだ周りの温度の影響を受けやすい。6ヶ月頃から歯が生え始め、1歳6ヶ月~2歳までの間で、上6本下6本の歯が生え揃う(2歳6ヶ月~3歳で乳歯、上10本下10本が生え揃う)。

食事

□意欲

・空腹になると目覚め、泣いて知らせる。舌の前後の運動で、ミルクをよく飲むようになるが、満腹になると乳首を舌で押し出したり、顔を背けたりする。3~6ヶ月になると、胃の入り口がしっかりしてきて、授乳後の溢乳が減ってくる。舌の前後の運動に加え、顎の動きを連動させて、母乳やミルクを飲む。食べ物に興味を示し始め、人が食べている姿を見て、ウーウーと催促したり、よだれを垂らす姿が見られるようになってくる。そのような姿が見られるようになる、4~5ヶ月で離乳食の準備期となる。
・準備期(4~5ヶ月)では、保育者に抱かれて、一口量の野菜スープや果汁をスプーンから取り込みスプーンに慣れる。
・初期食(1回食:ゴックン期)(6ヶ月頃)では、ドロドロ状、ジャム状、ポタージュ状の食物を、一口量だけ介助スプーンに載せ、子どもの唇の前に持っていき、子どもが自分から介助スプーンに向かって口を開き取り込むのを待つ。この頃は、ゴックンと飲み込むことを経験する時期である。ミルクは1日800mlぐらいである。栄養の主体は、母乳やミルクである。徐々に椅子に座って姿勢を保って食べられるようになったり、口を大きく開けて食べ物を取り込み、舌を良く動かして食べられるようになる。しかし、食事中に何か興味を引く物があると、そちらに気を取られて食べようとしないこともある。
・中期食(2回食:モグモグ期)(7~9ヶ月頃)では、舌で潰せる固さ(豆腐、茶碗蒸し程度)の食物を、徐々に手づかみで一人で食べようとする。この頃は、モグモグと舌で押し潰すことを経験する時期である。咀嚼が上手にできない子どもは、特に中期の咀嚼の経験不足が挙げられる。この時期に上顎に舌を押し付けながら、食べ物を押し潰して後ろに流すという舌の動きをたくさん経験することが大切。その経験が少ないと、丸呑みする子どもや発音の悪くなってしまうこともある。ミルクは1日600ml~800mlぐらいである。栄養の30~40%を離乳食から摂取するようになるが、主体は母乳やミルクである。声を出して食べ物を催促する姿も見られると同時に、少し食べると食べ物で遊びながら食べたりする姿も見られるようになる。
・後期食(3回食:カミカミ期)(9~11ヶ月)では、歯茎で潰せる固さ(バナナ程度)の食物を、手づかみで食べようとする。この頃は、歯茎ですり潰すことを経験する時期である。歯が上下4本そろった頃、スティック状に切った煮野菜などを持ち、自分で前歯を使って噛み切るようになる。ミルクは1日400ml~600mlぐらいで、離乳食から60~70%の栄養を摂取する。離乳食後の母乳やミルクを飲まなくても満足する子もいる。「マンマよ」と言うと食卓イスの方に向かったりすると同時に、ある程度食べると食卓イスから出たがる姿も見られるようになる。
・完了食(3回食:パクパク期)(12~14ヶ月)では、歯茎で噛める固さ(肉団子程度)の食物を、手づかみでどんどん食べようとする。この頃は、口を上下左右によく動かし咀嚼することを経験する時期である。牛乳やミルクは1日300ml~400mlぐらいで、栄養のほとんどを離乳食から摂取するようになる。牛乳やミルクでカルシウムを補給する。いろいろな食品の味や形態に慣れ、食事に期待をもち、自分から食べようとすると同時に、食べ物の好みがはっきりしてくる。
・幼児食(1歳3ヶ月~6ヶ月)では、前歯で噛じり取りができるようになる。自分で食べる気持ちが強くなり、介助されるのを嫌がる。食事の主導権は保育者から子どもへ移行してくる。こぼしながらも手づかみやスプーンで食べるようになる。促されれば嫌いな物でも食べてみようとする。
・1歳6ヶ月~2歳未満では、自分の場所で食べることに気持ちが向き、スプーンやフォークを使い最後まで自分で食べようとする。この時期は咀嚼の臨界期になるので、保育者が噛む真似をし、良く噛んで食べる習慣が身につくようにする。保育者や友だちと同じ場で楽しく食べたり、嫌いな食べ物も少しは食べたりするようになる。

□食具

・離乳食準備期(4~5ヶ月)では、スプーンに徐々に慣れ、スプーンから飲むことができるようになる。9ヶ月になると、自分でスプーンを持とうとしたり、コップから白湯、スープ類を飲めるようになってくる。1歳を過ぎる頃には、こぼすことも多いがスプーンやフォークを使って自分で食べようとしたり、コップを自分で持って飲もうとする。しかし、1歳6ヶ月ぐらいまでは手づかみが中心。1歳6ヶ月を過ぎる頃には、自分でスプーンやフォークを上手握りで使い、口へ運ぶのが徐々に上手になってくる。コップで飲む時にこぼさなくなってくる。

□介助・マナー

・離乳食を始める頃から、保育者と一緒にしぐさや喃語で食事のあいさつをする。1歳を過ぎる頃から、子どもたちは自分でスプーンやフォークを使いたがるので、保育者用の介助スプーンと子ども用のスプーンを用意するようにする。1歳6ヶ月前後では、器に手を添える姿も見られるようになってくる。2歳になる頃には、保育者と一緒にエプロンやおしぼりをたたむことも楽しむようになる。

排泄

□身体

・1歳頃になると、排尿の間隔が長くなり、1回の量が多くなってくる。1歳3ヶ月~6ヶ月では、オマルや便器に座る姿も見られるようになる。1歳6ヶ月前後では、おむつが汚れていない時に、オマルやトイレに座ると排泄する時もある。2歳になるに向けて、排尿の一定化が見られるようになってくる。

□伝達

・3ヶ月を過ぎた頃には、排便すると泣くこともある。1歳3ヶ月頃になると、排便した後に表情や動作で知らせることがある。1歳6ヶ月~2歳にかけて、おむつが濡れると、シーシーやチッチなどの動作や言葉で伝えるようになる姿も見られる。

□清潔

・6ヶ月頃には、おむつが汚れると不機嫌になる様子が見られるようになってくる。また、おむつを交換するために寝かされるのを嫌がる姿も見られるようになってくるが、交換時に足を動かしたり、身体に触れたりすると声を上げて喜ぶ姿も見られる。

衛生

□身体

・3ヶ月過ぎには、身体を清潔にされることを喜び、沐浴中に足で蹴ったり、笑ったりして喜びを表す姿も見られる。6ヶ月過ぎには、顔を拭かれるのを嫌がり、顔を背けたり手で払いのけたりする姿も見られるようになる。1歳を過ぎる頃には、保育者が「顔を拭きましょう」と言うと、タオルを顔に持っていく姿も見られるようになってくる。1歳6ヶ月~2歳になるに向けて、手が汚れたのが分かり、保育者に両手を持ってもらい、手を洗ったり、助けを借りて食事後に口や手を拭くようになる。

午睡

□午睡前

・1歳3ヶ月を過ぎた頃から、眠る前に布団の中でしゃべったり、歌ったり、動き回ったりして眠る姿も見られるようになる。

□午睡中

・生後から3ヶ月にかけて、手足をよく動かしたり、両足で毛布やタオルを蹴る姿が見られるようになる。また、眠っている間に頭を左右に動かし、頭の動きを変える姿も見られるようになる。良く眠っているように見えても、一日の中で眠りと覚醒が繰り返され、昼夜の区別がはっきりしていない。そのため、眼球が動いていたり、顔や手首がピクピク動いたりする。3ヶ月を過ぎる頃から、うつ伏せにすると、頭を少し持ち上げたり、仰向けでいくらか体の位置を変えられるようになる。眠っている時と目覚めている時がはっきり分かれるようになり、日中の睡眠は2~3回になってくる。6ヶ月を過ぎる頃からは、一定の生活リズムの中で安心して眠るようになり、子どもの好きな姿勢で安心して眠る姿が見られるようになる。1歳を過ぎる頃からは、午睡時間が一定し、安定してくる。起きている時間が長くなり、午前寝がなくなり午後の1回寝に近づいていく。1歳3ヶ月頃には、午前中に眠ることもあるが、昼寝は1日1回となってくる。

□午睡後

・3ヶ月~6ヶ月頃になると、目覚めていてもすぐに泣かず、一人で機嫌良くしていることもある。6ヶ月を過ぎる頃には、午前と午後は大体同じ時間に寝起きするようになり、眠った後は、機嫌良く遊ぶ。1歳を過ぎる頃には、目覚めると呼んで知らせることもある。

着脱

□衣類

・1歳を過ぎる頃になると、着替える時に手や足を動かし、簡単な衣服を脱ごうとする。また着替えの際に、保育者の言葉かけに合わせた動作をしようとする姿も見られるようになってくる。1歳6ヶ月前後では、保育者に着替えさせてもらいながら、手や足を通そうとしたりする姿も見られる。また、ボタンを外すと自分で脱ごうとしたり、自分で着ようとしてパンツの片方に両足を入れたりする。2歳になるに向けて、簡単な衣服は、保育者に手伝ってもらいながら脱ごうとしたり、パンツに足を通してあげると自分で前の方だけあげたり、首を通してあげると、自分で手を通そうとする姿も見られるようになってくる。

□衣類以外

・1歳を過ぎる頃になると、自分で靴を脱ごうとする姿が見られ、1歳6ヶ月頃には履こうとする姿も見られるようになってくる。2歳になるに向けて、ボタンやスナップに興味を持ち、引っ張って外そうとする姿も見られるようになってくる。

□整理

・1歳6ヶ月を過ぎる頃には、自分の衣服などを保育者と一緒に決められた場所にしまおうとする姿が見られるようになってくる。